中小企業のYouTubeチャンネル運用・活用事例10選
YouTube黎明期と違い現在では、YouTubeチャンネルを広告収益を得る使い方だけでなく、自社商品の認知や販売、ブランディング等を目的とした「無料で開設できるメディア媒体」として、大小かかわらず様々な企業がYouTubeを活用しています。
今回は、様々な業種の中小企業が運営するYouTubeチャンネルを10個選出して紹介していきます。
ぜひ参考にしてください。
中小企業がYouTubeチャンネルを運用するメリット
あらためてYouTubeチャンネル運用や活用のメリットをおさらいしてみましょう。以下、具体的なYouTubeのメリットを見ていきます。
挙げられるメリットとしては主に5つあり、
①訴求力が高く、共感を得やすい
→動画コンテンツは、動きのあるテロップ情報、音声情報を用いて、視聴者に訴求することができるので、文字や画像と比べて、圧倒的に情報量を多く伝えることが出来ます。
また、リアル感や臨場感を伝えることで、説得力も増すため、視聴したユーザーの“共感”を生みやすいという特徴があります。企業が個人に対して訴求する立ち位置でありながら、ユーザーに親近感を持ってもらえたり、信頼感を得られたりできるのも、YouTubeチャンネルの運用や活用をする大きなメリットです。
②チャンネル登録者へアプローチできる
→チャンネル登録をしてもらえれば、動画を上げる度にアプローチができ、視聴ユーザーに自社名や商品/サービス名の認知拡大や、もっとファンになってもらう機会を得ることが出来ます。
チャンネル登録をしてくれているユーザーは、広告出稿で集客できるユーザーに比べて、圧倒的に濃い見込み客だといえるのではないでしょうか。
③YouTubeからの広告収入
→YouTubeから広告収入を得るには、チャンネル登録者数1000人以上、直近12ヶ月の総再生時間が4000時間以上という条件があります。企業として人気チャンネルを運用することで、YouTubeからの広告収益を事業における新たな収益源とすることも可能です。
→YouTube収益化については、上記のほか、収益化ポリシーの遵守やGoogle AdSenseアカウントを開設しているなど多くの条件があります。収益化の条件は、変更される可能性もあり、最新の条件については下記YouTubeのヘルプをご参照ください。https://support.google.com/youtube/answer/72851
④企業規模や知名度に関係なく、挑戦できる。
→大小の規模や知名度の有無に関わらず、YouTubeで大事なのは、いかにして視聴ユーザーが望んでいる「コンテンツ」を提供できるかが重要です。
大企業が莫大なコストをかけて撮影・編集した動画より、個人がスマホで撮って、簡単に編集しただけの動画の方が、人気になることも珍しくありません。
⑤実店舗への集客やECサイトへの誘導
→商品やサービスに興味を持ってくれた方に対して、自社のWebサイトや他SNS、LP(ランディングページ)へ誘導することが可能です。また、YouTubeにはメンバーシップ制度というのもあり、動画配信者を支援する目的で、備えられた有料コンテンツ提供の機能を活用することでオンラインサロンのような使い方もできます。
YouTubeでは、音楽やゲーム実況、面白系のエンタメ系コンテンツだけでなく、スポーツ、美容、グルメ、ライフスタイル、投資、ビジネスなど、幅広いジャンルの動画が毎日視聴されています。
TVや雑誌等のメディアへの露出は、反響や集客効果が一過性であったり、制限や偶発性の高すぎる要素が多くあります。
しかし、YouTube動画は自社メディアとして、YouTubeガイドラインを遵守する必要はありますが、自由にコンテンツを発信でき、なおかつ「ストック型の資産」として保有しておくことができるため、YouTubeから動画が削除されない限り、半永久的に広告宣伝が可能です。
中小企業のYouTubeチャンネル運用・活用事例10選
①シアーミュージック
ボイストレーニングをメイン事業として展開するシアー株式会社 (Sheer,Inc.)のYouTubeチャンネル
ボイストレーナーと生徒による「歌ってみた」動画をメインに投稿し、誕生日企画シリーズ、トーク系動画、さまざまな新企画にチャレンジするなど、精力的にYouTubeチャンネルを運営しています。
歌とYouTubeの相性は抜群に良く、その時、流行りの音楽の「歌ってみた」系の動画を、全国にある店舗の講師や生徒が歌い、投稿することで登録者31万人、再生回数ミリオン越えの動画を、数えきれないほど生み出しています。
またこの動画に出演するには、講師も生徒も毎回厳しいオーディションを受け通過する必要があり、投稿はしていませんが、そのオーディション自体も1イベントとしてシアーミュージックのサービスの目玉となっています。
②有隣堂しか知らない世界
『有隣堂』は、神奈川・東京・千葉に約40店舗ある書店で、「有隣堂しか知らない世界」というチャンネル名のとおり、様々な世界をスタッフが愛をこめてお伝えしている登録者 18.4万人(2020年2月開設)の人気YouTubeチャンネルです。
企業の公式チャンネルというと、「堅い、畏まった」イメージで、「エンタメ性は高くないもの」と思われがちですが、番組MC「R.B.ブッコロー」のキレのあるトークや、個性豊かなスタッフ達が『本や文房具の素直な好き、偏愛を語る世界観が面白い。』と人気を集めています。
撮影自体はほとんどアドリブで行っていることが多く、台本をガチガチに固めることはせずに、自然な掛け合いやリアクションを大事にしているそうです。
J-POP を古文訳で歌うシリーズの動画や、文房具バイヤーの岡崎氏が登場する動画が人気コンテンツのひとつ。
書店にとっては、ネット通販が身近になった現代において、来店を促すような販売促進方法だけでは、集客や経営が難しいのが推測されます。YouTubeチャンネルを、オンライン購入サイトへの誘導だけでなく、ブランディングによる顧客のファン化に、成功している良い事例のひとつといえるでしょう。
③遊楽舎チャンネル
ゲ ームとトレーディングカードを扱う「遊楽舎」の公式YouTubeチャンネルで登録者52万人のチャンネルです。
ヒカルチャンネル初期の頃によく「店長」の呼び名で演者として出演し、YouTuberヒカルとのテンポの良いトークやコンテンツの面白さで、ヒカルチャンネルの躍進を支えた人物の1人といっても過言ではないといえるでしょう。今でもヒカルチャンネルに、時たま出演し繋がりが深いことが見てとれます。
動画コンテンツは、ゲーム・ゲームセンター・トレカ業界のあれこれ、裏事情、話題の時事ネタについて語っています。
メインチャンネル以外にも、遊楽舎らじお、遊楽舎公式大会チャンネル、遊楽舎ねいちゃーずなど複数のチャンネルで動画投稿しており、積極的にYouTubeを活用している様子がうかがえます。
実際に遊楽舎であった万引きランキング!!という動画は350万回以上の視聴がされています。
④ドットカラーダンススタジオ
福岡にあるドットカラーダンススタジオの公式YouTubeチャンネルで登録者数 2.4万人。
子供から大人まで楽しめるダンススタジオとして、充実したレッスンを提供する人気のダンススタジオです。
ドットカラ一YouTube校として訴求しており、家に居ながら、ダンスのレッスンが受講できる動画を多く投稿しています。
素人っぽさを消す!レベルアップ講座や15分で完成!ヒップホップダンスこれからスタート講座のカテゴリーの動画が人気。
YouTube経由で同スタジオを知って、実店舗のスクール生が増えるなど、非常に強い集客方法になっているようです。『ダンス×動画』は、本来非常に相性の良い組み合わせですので、企画力やコンセプトメイク次第では、まだまだ新規参入が狙えるジャンルであるといえます。
⑤ベンツ屋さんの社長
大阪でメルセデスベンツ専門店を営んでいる株式会社トラスティコーポレーションの社長が発信している YouTubeチャンネルです。
「ベンツ屋さんの社長」という分かりやすいチャンネル名で、どの動画もたくさんのポジティブなコメントが集まっており、信頼性や専門性が非常によく伝わっているのが分かります。
車関係ではなく、不動産投資や株式、FXなどの投資や資産運用にまつわるコンテンツも発信し、社長自身に多くのファンがついています。 他にも、会社の公式youtube【TRUSTY CHANNEL】の運用やTikTokにも力を入れているようです
事業の集客や認定拡大のためのYouTubeの活用だけでなく、インフルエンサーとしても成功している良い事例であるといえます。
⑥永田 ハードオフ久留米国分店
「ハードオフ久留米国分店」の統括店長である永田さん1人で、全てを行っているそうで、運営も会社ではなく、あくまで会社公認の個人として、やっているそうです。(チャンネル登録者数 24.1万人)
チャンネル概要欄に「演奏、撮影、編集、演出、全て店員永田一人でやってます。」と記載があります。
もともとは音楽活動をされていた経験を活かし、音が出ないキーボードの鍵盤を叩いて打楽器のように使ったり、変形したギターを、「エビ反りギター」と表現したりと、店舗に並ぶ“ジャンク品”を活用した演奏動画をきっかけに、知名度が急上昇しました。
今あるリソースを最大限活かした企画として、非常に参考になるのではないでしょうか。
⑦塗り替え道場
愛知・岐阜・三重・神奈川で8店舗展開している『外壁塗装・防水専門店の塗替え道場』のYouTubeチャンネルで登録者19.4万人。
外壁塗装を通して、足場、塗装、コーディングなど『職人の世界を面白おかしく』伝えているチャンネルです。
shorts動画も積極的に取り入れ、動画の更新頻度も高く、YouTubeを精力的に活用しています。
演者は、社長や働く職人、営業スタッフなど従業員一丸となって取り組んでいる様子です。 全てをさらけだすことで、結果的に、信頼性や専門性の訴求力が高まっています。
外壁塗装でお悩みの方に向けたコンテンツであったり、塗装屋さんのための動画セミナーのコンテンツも投稿しています。外壁塗装や防水工事を検討中のエンドユーザーにとって、非常に有益な情報チャンネルとなっているのではないでしょうか。
⑧イヤホン・ヘッドホン専門店 eイヤホン
イヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」の公式YouTubeチャンネルで登録者数 11.3万人。
株式会社タイムマシンが運営する日本国内最大級のポータブルオーディオ専門店の公式 YouTubeチャンネルです。
色々な店員さんのキャラを押し出し、面白い企画形式の動画であったり、ゲストを招いた生配信を行うなど、精力的にYouTubeチャンネルを活用しています。
ノイズキャンセル体験動画や、骨伝導アイテム紹介、爆速! 90秒レビューシリーズのコンテンツが人気です。
⑨AXEL HOME Minatoku Kaiganアクセルホーム港区海岸店
港区・品川区を中心に高級賃貸マンション、タワーマンション、デザイナーズマンション、事務所、店舗などの賃貸・売買・管理をおこなっている不動産会社アクセルホームのYouTubeチャンネルです。
物件の部屋までの導線や、内観の部屋の位置関係、日当たりなど、画像では伝えにくい様子を動画で訴求することで、内見をバーチャルに体験できる動画構成が多いです。
物件紹介系の動画は、声も演者もいない動画ですが、興味関心のある方にとっては、非常に有益な情報となっていることでしょう。
支店や展開ブランド毎に、YouTubeチャンネルを開設するなど、セールス時の営業ツールとしても活用しているようです。
⑩LIPPS HAIR TV【美容室LIPPS 〈リップス〉】
メンズが行きたいサロンNO.1を受賞したこともある全国で25店舗展開している美容室【LIPPS hair (リップスヘアー)】のYouTubeチャンネルです。
芸能人のヘアスタイル集、なにわの美容師youtuber、モテ髪特集、クセ毛の凄技、扱っている製品のHow To 動画のコンテンツが人気です。
YouTubeショート動画も積極的に投稿しており、様々なヘアーに関するジャンルの動画を投稿しています。その中にはミリオン越えの動画もあり、ショート動画の参考にもなるチャンネルではないでしょうか。
まとめ
今回は、様々な業種の企業のYouTubeチャンネル運用・活用事例を紹介しました。YouTubeは上手くいけば非常に高い利益率で、集客できる最強のツールになる可能性があります。
また集客だけなく、採用活動や広報としてもYouTubeは、利用することが出来るため、ホームページと同様にYouTubeチャンネルを当たり前のように、どんな規模感の会社でも持つようになる時代がもう来ているのではないでしょうか。
広告収益目的で活動するいわゆる「YouTuber」はユーチューブ市場の需要と供給のバランスにより「バズる」難易度が非常に高くなっています。
ただし、自身の商品やサービスを持ち、その販売ツールとして活用する場合はその限りではありません。企業活動においては、自社製品の魅力や強みを伝える手段として、YouTubeという最強のメディアの活用を、今回の記事を参考に一度検討してみてはいかがでしょうか。
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