地下アイドルという言葉が生まれて久しく、すでに幅広いアイドルの存在が認知されるようになっています。尖ったコンセプトで差別化したグループや、フリーランス、特定の店舗所属型、自治体などの地域密着型など様々な形のアイドル像が日々生まれています。

そのように奥深く、複雑になりつつあるアイドル業界においては、YouTubeでの活動は必要不可欠になっています。

今まではテレビに出演して人気を博した上で、ブレイク後にドキュメンタリー番組やバラエティ番組にも出演し、メンバーの素顔や個性的なキャラクターなどをアピールしてファン層を広げる活動が王道でした。

現在はYouTubeを活用することで、テレビに出ずとも自分たちで機会を作ることができるようになり、各グループが趣向を凝らして魅力的なコンテンツを発信し、ファン獲得に繋げています。

アイドルグループによるYouTube運用のメリット

アイドルグループのYouTubeチャンネルは、自由度が高く、自分たちの意思を反映して運営できます。多様なコンテンツを提供できるため、活動スタート時点から多様な層にアピールすることで、早期のファン獲得を実現できるメリットがあります。

主なコンテンツとしてはとしては5つあり、

①ミュージックビデオの配信

→フルサイズで自身の楽曲を配信し、世界観も伝えることができます。

②過去のライブビデオの配信

→新規のファンに対しても、臨場感ある映像でライブに参加したい気持ちを掻き立てます。

③インタビュー映像

→メンバーのキャラクターを掘り下げ、沼らせます。

④ドキュメンタリー

→楽屋裏など、普段見れない裏側のやり取りなどプライベートなドラマを見せることで、ファンを深化させます

⑤ゲーム、バラエティ

→笑顔や楽しそうな場の雰囲気があふれ、グループのポジティブな空気感を伝えられます。

チャンネルでの情報の芯として握手会、チェキ会などのリアルイベントと併用することで、その場でのトークも盛り上がったり参加率をあげることも可能です。

もちろん収益化できれば貴重な活動費のサポートにもなります。

アイドルグループのYouTubeチャンネル活用事例10選

①＝LOVE（イコールラブ）

チャンネル登録者数はすでに26万人を超えている人気チャンネルです。

ミュージックビデオとドキュメンタリー映像がメインコンテンツですが、彼氏目線になれるドラマやメンバーにフォーカスしたファンカメラ風映像など、アイドルを独占しているような気持ちにさせるショート動画も人気です。

メインのミュージックビデオ、各メンバーにフォーカスした映像、ドキュメンタリーと、まさに王道のアイドルグループの運営として見本になるチャンネルと言えます。

②ZOC

すでにチャンネル登録者数19万人に迫る勢いのあるチャンネルです。

事務所社長である大森靖子自身がメンバーとして参加し、プロデュースしているため、一本筋の通ったブランディングを実現し、良質なコンテンツを配信しています。

メインはミュージックビデオとライブ映像という、音楽性を強く打ち出していますが、ドラマや料理動画、オーディションなども散りばめ、知れば知るほど沼ってしまう構成です。

③iLiFE!【あいらいふ】

登録者数24万人を超えた、今急激に伸びているチャンネルです。

800万回再生を超えるコール動画は、1400件を超えるコメントが投稿されていて、「ライブに参加したい」という声が集まっています。ファンとのコミュニケーションの起爆剤になるコンテンツです。

同チャンネルではショート動画もメインとしていますが、撮影や練習の裏側を切り抜いた内容が多く、素顔を覗き見るような距離の近さが魅力です。

④NOT EQUAL ME ノットイコールミー 公式チャンネル

登録者数約17万人のチャンネルです。メンバー数12名の人気グループです。メインにリリース情報を掲載し、再生リストに繋げており、曲を主役にしたような構成が特徴です。

ショート動画では、リリース曲に合わせたチャレンジでキャラクターそれぞれが引き立つようアピールし、「こんな子がこんな歌を歌っているんだ」というギャップをストレートに楽しめます。

⑤虹のコンキスタドール

登録者数11万8千人、548本の動画がすでに配信されています。ミュージックビデオよりもバラエティ企画のものが多く、純粋に企画を楽しみにしているファン層もいるようです。

特に全農とのコラボレーションによる「ファンファーム」は、すでに第4弾。ファンとの交流だけでなく、農業の振興にも寄与しています。

アイドルを素材として活用しながら存在価値を最大限に広げた企画力は他の追随を許さない独走状態です。

⑥神宿 KAMIYADO

原宿発の4人組アイドルグループです。すでに1080本もの動画を配信しています。メンバーそれぞれが企画した動画も人気です。

メイク動画、モッパン、ゲーム実況、密着など人気コンテンツをほとんど網羅していて、どれもメンバー自身が楽しんでいる様子が伝わります。

メンバー数の少なさを多様なコンテンツでカバーするように大量の動画が配信されていて、幅広いファン層を獲得しています。

⑦悲撃のヒロイン症候群【ヒロシン】

7人組のアイドルグループです。基本的にミュージックビデオとライブビデオのみの配信です。一本一本の再生数が多く、人気の高さをうかがえます。

ミュージックビデオの作りこみが素晴らしく、チャンネル運営上、シンプルに世界観を訴求し、確実にファンを獲得できるのは質の高さ故のものです。世界観にハマるファンが続出するのは当然と言えます。

⑧KissBee チャンネル

女子高生から支持を集める清純派美少女ユニットです。
ミュージックビデオをメインにしていますが、バラエティ企画も多く人気があります。

特に「KissBeeが踊ってみたシリーズ」は、累計1000万超再生の大人気コンテンツです。渋谷の街をバックに踊りまくるキレキレのパフォーマンスに、男性からの熱いコメント投稿が集まっています。

⑨まねきケチャ公式

登録者数5万5千人の4人組アイドルグループです。活動歴が長いためか、大人の女性の印象です。ミュージックビデオがメインで再生数が伸びていますが、オリジナルのバラエティ企画が多く、メンバー同士の絡みや、彼氏目線になれるショート動画が目を引きます。

英語禁止、100の質問、大喜利などテレビでも人気のコンテンツも取り入れており、敷居が低く、誰でも楽しめる企画が人気です。

⑩おこさまぷれ～と。

配信動画数3100本、登録者数は57万5千人を超えている大人気チャンネルです。

アイドルのチャンネルではありますが、サムネイルはかなりエロめに作られており、動画タイトルも「トイレ一生待たせるドッキリやったらガチ漏れでパニックwww」など壁を乗り越えた感があります。

男性ファンの心と体をわしづかみにし、ファンダムを作るエンタテイメントチャンネルになっています。

まとめ

YouTubeはアイドルにとってだけでなく、世界中のファンとの直接的な繋がりを築くための革新的なプラットフォームとして輝いています。
アイドルがYouTubeを活用することで、単なる音楽の提供を超えて、ファンとの心の交流を深めることができます。

ライブ配信やコメントへの返信を通じて、アイドルはファンの声に耳を傾け、リアルなコミュニケーションを構築できます。

また、自己表現とクリエイティビティの発揮においても、YouTubeは無限の可能性があります。
アイドルが自身の個性を輝かせ、独自の世界観をファンと共有する場として、YouTubeはまさに理想的なプラットフォームといえるでしょう。