企業の採用・求人におけるYouTubeチャンネル運用・活用事例10選
会社が成長するためには、常に人材採用を継続していかなくてはなりません。
採用という言葉には、「適切であると思われる人物・意見・方法などを、選択肢の中から選び、とりあげて用いること」という意味がありますが、とくに中小企業では、常に高い採用広告費を捻出し続けるわけにはいきません。
応募者側からの視点からみても、常に転職を考えているわけではなく、転職したいと思ったタイミングで求人がなければ「縁がなかった」と一言で片付けられてしまいます。
SNSが普及し、誰もが好きなタイミングで情報を得られるこの時代に「動画」というものは絶大な効果を発揮します。
YouTube動画を通して、会社の雰囲気や取り組みなど、様々な情報を企業側から発信し、新卒・中途問わず、人材を獲得しようとしている会社が増えてきています。
お金の掛け方も、広告は、掲載期間が過ぎると削除されますが、YouTubeはずっと残り続けます。
広告媒体にお金を掛けるのではなく、動画広告にお金を掛けることにより、こちらから直接仕事を探している人にリーチできるので、動画広告の費用対効果は非常に高いと言えるのではないでしょうか。
企業の採用・求人におけるYouTubeチャンネルの運用メリット
企業が運用する採用・求人のYouTubeチャンネルの最大のポイントは、「応募者が会社の雰囲気をより具体的にイメージ出来ることで、その会社に合った適切な人材を獲得できる」というところです。
メリットを具体的にすると、
応募者の新たな可能性を広げ、幅広い人材を獲得できる
→事業部を紹介している動画であれば、自分が志望する事業部以外を知ることで、新たな可能性を見出すことに繋がるため、応募の幅が広がる
様々な事業部の雰囲気が分かる
→動画の雰囲気から局所的な雰囲気ではなく、会社全体の雰囲気を知ることができるので、会社へのイメージをより鮮明に想像しやすくなり、入社してすぐの離職を防ぐことができる
信頼感や安心感
→一緒に働く人や、職場環境を紹介することにより、人柄から信頼感や安心感を得られる
☆ポイント
より良い人材獲得のため、紙媒体での求人広告や、求人サイトを活用している企業が多いと思います。
しかし5Gが到来している今、「動画で調べる」というのは当たり前になってきており、それは、人材獲得の仕組みにも確実に影響してきています。
YouTubeという誰もが手軽に見れるツールを利用することで、会社に興味を持ってもらう分母を増やすことが期待できるのです。
企業の採用・求人におけるYouTubeチャンネルの運用・活用事例10選
①バンダイ公式チャンネル BANDAI OFFICIAL
世界に誇る日本のおもちゃメーカーであるバンダイが運用する登録者94万人を超えるYouTubチャンネルです。
株式会社バンダイは、1950年創業の70年以上歴史のある会社で、2008年5月にYouTubeチャンネルを開設し、現在に至るまで延べ3600本以上の動画を投稿しています。
チャンネルでは、商品の情報やアニメ・特撮作品の動画を中心に発信しており、商品紹介もただ商品を紹介するのではなく、演者をたてて、実際に使用することでより分かりやすく、子供心をくすぐるようなチャンネルとなっております。
ピックアップした新卒採用ムービーでは、それぞれの事業部で実際に働いている人目線での事業紹介から始まり、職種紹介へとつながる4分48秒の動画となっております。
概要欄には、新卒採用のページリンクが貼っており、動画同様に訪れた人が「この会社で働きたい!」と思うようなワクワクする作りになっているので必見です。
②佐川急便公式チャンネル
日本宅配利用の約30%のシェアを占める佐川急便株式会社が運用する、登録者7900人のYouTubeチャンネルです。
1957年創業の佐川急便は、荷物を「送る」「受け取る」だけではなく、利用者が抱える物流課題に対して1人1人に合わせた解決方法を物流改善のプロが最適解を提案する会社です。
そんな佐川急便のYouTubeチャンネルは2018年3月にチャンネルを開設し、現在62本の動画を公開しています。(2022年12月現在)
ピックアップした新卒採用動画「あなたの味方」は、チャンネル5本目の動画で2700万回以上再生されている動画となっております。
この動画は、幼かった娘が佐川急便で働き始め、失敗をしながらも成長していく様子を母親目線で構成されているショートドラマ仕立てとなっており、多くの親の共感を得て安心して送り出せる企業としてのイメージを訴求しました。
③清水建設公式チャンネル / SHIMIZU CORPORATION Official Channel
日本の建設業界を支える、清水建設株式会社が運用する登録者1500人のYouTubeチャンネルです。
清水建設株式会社の創業は、1804(文化元)年で建設事業を柱に、不動産開発やエンジニアリングなどの非建設分野でも国内外で事業を展開しており、一つひとつの仕事に情熱を注ぎ、子どもたち、さらにその先の子どもたちの時代に、価値ある建造物や事業を築いていくことを念頭においている会社です。
チャンネルでは、会社紹介や技術・ソリューション紹介、テレビCMなどの映像コンテンツを発信しており、見る人をワクワクさせるものが多くなっています。
ピックアップした【清水建設】土木系新卒採用ムービー「シミズノヒト」では、実際の社員のインタビューを中心に「仲間への思い」や「清水建設の魅力」などをたくさんの人からの声で構成されており、清水建設の一員になりたい!と思わせてくれる心温まる動画となっております。
④サイバーエージェント新卒採用
株式会社サイバーエージェントは1998年に設立され、ABEMA(アベマ)やAmebaなどのメディア事業部、グランブルーファンタジーやウマ娘などのゲーム事業部など、様々な事業を展開する会社が運用している登録者数3400人のYouTubeチャンネルです。
チャンネル名の「サイバーエージェント新卒採用」というコンセプト通り、コンテンツは新卒採用された人へのインタビューや研修内容を紹介しており、どんな人がサイバーエージェントに採用されていて、どんな人がいるのかなどが分かる内容となっています。
中でもピックアップした【オフィスツアー】サイバーエージェントの本社オフィスAbemaTowersをご紹介!では、実際に社員の中村さんがオフィスを紹介し、出社から事業部の様子、独自のシステムなどを紹介して応募者の働く意欲を高めてくれる動画となっております。
⑤ラディックス採用
業歴30年のトータルビジネスソリューション企業であるラディックスが運用する登録者521人のYouTubeチャンネルです。
ラディックスは中小企業の抱える課題点や改善点などを、マルチベンダとして解決、提案しており会社のデータ管理、グループウェア情報資産を守る製品などの開発や「RaBit」と呼ばれるExcelから業務ソフトへ自動で転記などをしてくれるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などを導入するサービスを提供しています。
ピックアップした【RADIX2023】新卒採用動画 45s は(15sバージョンも有り)2本目の投稿で300万回以上再生されている動画となっております。
この動画は、2022年1月公開で3月に急激に再生されていることから、採用の時期に合わせて広告を回したと推察され、動画尺が短いこともあり多くの視聴を獲得しました。
⑥日総工産の工場求人ナビ
「工場求人ナビ」という全国の工場、製造系の求人情報を常時1,000件前後の仕事を掲載しているサイトを運営している、日総工産株式会社の運用する登録者300人のYouTubeチャンネルです。
工場求人ナビでは、細かく条件に合わせた検索や「自宅の近くでさがす」といった機能で、ご希望のお仕事情報を簡単に検索でき、仕事応募後はWeb面接や全国にある営業所、オフィス、出張面接会場で面接が可能となっています。
また、現在就業中で先の就業をご希望の方にはLINEやメルマガで新着・オススメのお仕事情報を配信するサービスも展開中です。
チャンネルでは30秒ほどの見やすい動画が多く、登録〜働くまでの流れであったり実際の仕事を紹介した動画を発信しています。
ピックアップした【公式】黒島結菜さん出演!日総工産「工場求人ナビ」新CM『救世主編』①は、2021年10月1日からテレビのCMとして流れており、主演の黒島さんが2022年の4月からNHKの朝ドラでヒロインに抜擢されたことから話題となり、再生が伸びて現在では、1080万回以上の再生となっています。
⑦鴨頭嘉人(かもがしら よしひと)
現在、日本一熱い想いを伝える「炎の講演家」としても有名な鴨頭嘉人(かもがしら よしひと)さんは、高校卒業後、19歳から日本マクドナルドにアルバイトとして入社し 、4年間アルバイトを経験した後、23歳で正社員として入社。
その後2010年には、株式会社東京カモガシラランドを創設するなど、マクドナルドで様々な功績を残した鴨頭さんがメインとして活躍する登録者106万人のYouTubeチャンネルです。
チャンネルでは組織構築や人材育成、セールス獲得についての講演や、研修を行っている様子を撮影した動画とコラボ対談動画が主なコンテンツとなっています。
ピックアップした【有料級】いい人材しか集まらない“「邪道の採用」全部教えます。具体的行動まとめ。” では、マクドナルド時代に実際に自分が行った採用のメソッドを解説しており、71万回再生されて話題になりました。
このように成功した採用の仕組みなどを解説することで、応募側は採用への意識が高まり、より良い人材を企業が獲得できる基盤を構築しているといえます。
⑦RCの部屋
SNSで「ユイカとヒロシ」という名前で活躍している2人が所属する株式会社リソースクリエーションが運用する登録者3600人のYouTubeチャンネルです。
株式会社リソースクリエーションは、2015年創業で主に大手求人広告の代理店、採用向けSNS運用代行サービス、Webサイト制作・動画制作などの事業を展開しています。
チャンネルでは、内定式や納会のような内々で行うものから社内メンバーの学力テストや、鞄の中身などよくあるYouTubeの企画まで幅広く展開しており、会社の雰囲気が隅々まで分かるようなコンテンツ構成になっています。
ピックアップした【事業紹介】SNS事業部【リソースクリエイション】では、SNS事業部の紹介を事業部チーフであるユイカさんが様々な撮影シーンと共にていねいに説明しており、事業部の成果として3年で20倍以上の応募数を獲得したとのこと。
また、動画内で紹介されている、採用特化型SNS運用代行サービスの「エアリク」は採用に特化した専門家チームが、SNS運用を一括代行するサービスで高いインプレッション数とリーチ数で多くの応募者を出していると話題です。
⑨CareeZo Times(キャリゾータイムズ)
ダブルエース株式会社というイベントプロモーションやMVNO代理店事業、販売サイトなどを手がけている会社が運用する登録者が2220人のYouTubeチャンネルです。
CareeZo Times(キャリゾータイムズ)のチャンネルは、文章だけでは伝わらない、映像だからこそ伝わる「本当の魅力」をコンセプトに社員1名に1日密着して「リアルな仕事」をチャンネルを通して紹介しています。
リアルな仕事風景を見せることで、その職種への興味関心を高め、業界全体の採用活動の手助けをしているチャンネルとなっています。
ピックアップした【美容師の1日】ショート・ボブ専門美容師の大野道寛に1日密着では、ショート・ボブ専門と限定されたジャンルでありながら、ご自身のYouTubeチャンネルで多くの視聴回数を獲得している美容師の大野さんに密着した内容となっています。
普段見ることのできない美容師の裏側を余すことなく紹介しており、仕事に対する考え方や昼食風景、同僚へのインタビューなど、まさに密着と呼ぶに相応しい内容になっており、16万回以上の再生がされていて話題になっています。
⑩BICチャンネル(BEEFITCARS)
大阪を拠点としている福祉車輌に強い外車専門店の株式会社BIGが、会社15周年を記念して開設した登録者数32,000人のYouTubeチャンネルです。
チャンネルでは、板金業界の環境が悪くなっていることを危惧し、YouTubeを通じて業界での発信力を持つため、閉鎖的なイメージをなくし業界を盛り上げるため、これから目指す人に夢を与えたいという思いで、動画作りをしており、実際の作業をていねいに説明しながら、板金へのこだわりや技術力の高さをコンテンツとして発信しています。
ピックアップした【急遽求人募集します】一緒に楽しい板金塗装ライフを送りませんか?は、直接応募者を募る動画で、実際の社内の設備環境や性別関係なく仕事ができること、さまざま車種を取り扱っていることなどの紹介をしており、見た人がやりがいを感じることができる17,000回視聴されている話題の動画になっています。
まとめ
キッカケは、「会社の名前を覚えてもらうこと」
企業のYouTubeチャンネルの多くは、自社の採用活動のため、まずは社名を覚えてもらう、社名を目に触れられやすい場所に意図的に流布し、運用を始めています。
質の高い人材を獲得するためには、より自分の会社をより知ってもらうこと、そのための手段として採用ムービーであったり、事業部紹介であったりします。
自分がどのような職種に向いているか、どのような自分になれるかを想像できるような動画であればあるほど、その会社に適した人材が集まるようになり制作した動画の価値は上がっていきます。
ただ、「紹介する」のではなく「よりイメージさせる」構成にすることが、動画を制作するうえでのポイントとなっているのではないでしょうか。
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