リフォーム・建設系のYouTubeチャンネル運用・活用事例10選
近年、様々な業界で、営業活動や認知拡大など様々な目的でYouTube動画を活用しています。
もちろん建築業界も例外ではなく、プロモーションや社内研修・求人・技術に関する情報発信など、幅広く活用する企業が増えてきています。
コロナ禍で自宅で過ごす時間が長くなり、家の中での過ごし方や住環境について、関心を寄せる人が増えました。「インテリアにこだわりたい」「もっと良い暮らしを追求したい」と考える人が多くなり、自分でインテリアを作り上げるDIYや、リフォーム動画、理想の家を考えるモデルハウスツアーなどが、YouTubeにおいて人気のコンテンツになっています。
建築業界の情報発信においてYouTubeは今や欠かせないツールですが、「本当に活用するメリットがあるか」「ノウハウがない」など不安もあるかもしれません。
本記事では、建築業界においてYouTubeチャンネルを活用するメリットや、実際の成功事例をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
リフォーム・建設系のYouTubeチャンネル運用のメリット
リフォーム・建設系のYouTubeチャンネルは、実際の建物の様子などを視覚的に視聴者に訴えかけることができるのが強みです。以下、具体的なYouTube運用のメリットを見ていきます。
挙げられるメリットとしては主に5つあり、
人柄や雰囲気が伝わる
→文字や写真だけでは伝わらない、会社の雰囲気やスタッフの人柄を表現できるため視聴者が想像しやすい
ユーザーがイメージしやすくなる
→動画は、テキスト/画像/音声の3つの要素で構成されるため、圧倒的に情報量が多いです。
例:モデルハウスなどのルームツアー→しっかり撮影すればデザインや間取り、採光などの空気感も含めて魅力的に伝えられる。
例:施工例の紹介→自社が手掛けた施工例を動画で紹介することで、どれくらいの価格でどのような工事を行うのか、詳細が分かりやすい。
コメント欄でユーザーニーズを知ることができる
→視聴者からの要望や感想を見ることで、自社の改善点や新しい強みに気付けるチャンスがある。
認知拡大/営業用ツールになる
→ホームページに動画を掲載したり、営業用のプレゼンテーション動画として活用可能。
他の集客方法とは異なる層へアピールできる
→YouTubeではSEOやその他SNSとは異なるユーザー層に、アプローチすることができる。
集客手段において、紙媒体やWebサイト等を活用されている方が多いかもしれません。写真や文章でも魅力は伝わりますが、動画だとより多角的に多くの情報を伝えることができます。
YouTubeを通して商品やサービスのことを知ってもらい、興味を持ってもらうことで、新規顧客の獲得や“企業のファン”になっていただける機会を得ることが出来ます。
リフォーム・建設系のYouTubeチャンネル運用・活用事例10選
①マエダハウジングのリフォームリノベーションTV
広島県内を主な商圏として住宅リフォームのサービスを展開しているマエダハウジングが運営するチャンネル。
販促企画室の社員たちが、撮影を担当し、動画の内容は「リノベーション施工例」「おすすめの住宅設備」「自分でできる住宅設備の改修」など幅広いジャンルを投稿しています。
「リフォーム業界は、代金や施工の部分で不透明という印象を抱く方も多い。そういった情報を積極的に、開示していくことで、顧客の信頼を得ていこうという思いがある」という同社社長の想いを、軸にコンテンツを作成しているそうです。
新築のルームツアーの動画は特に人気があり、2020年8月にアップされた新築物件の紹介動画は、約65万回再生されています。
②リフォームEnjoyチャンネル現場アウトプットマン
福岡の北九州で10名ほどのメンバーで、リフォーム会社を経営する元吉社長が運営するチャンネル。
同チャンネルでは、施工事例からリフォームに関わる知識や経験談などリフォームを検討しているユーザーの悩みを解消する有益なコンテンツを発信しています。
動画内では元吉社長自ら出演し、様々な情報を発信しているので動画を視聴することで、元吉社長の雰囲気や人柄も同時に知ることができ、それがファン獲得や同社への依頼にも繋がっています。
チャンネルのコンテンツの中でも「プロが選ぶ人気の住宅設備ランキング」のシリーズが特に人気があり、平均的に数万回再生されています。
出来る限り専門用語を使わず、リフォームの情報を楽しく分かりやすく伝えており、視聴者に寄り添ったコンテンツを作成しているのがポイントです。
③コマショウTV
兵庫の宝塚にあるリフォーム会社、駒商株式会社が運営するチャンネルです。
「コマショウTV」は主にリフォーム現場の解説や、職人さんの密着動画をメインに投稿しており、修繕技術やリフォームのコツなどを発信。
視聴者の要望に基づいて解説するコンテンツを上げたり、実際の現場感が伝わるような動画を顔出しして包み隠さず伝えていることから視聴者に安心感を与え、信頼獲得に繋がっていると考えられます。
「全ては、正直な商売のために」という駒商の理念に基づき、前述のようにあえて全てをさらけ出すようなコンテンツにすることで、会社としての豊富な経験値や人柄、雰囲気が伝わりコアなファンを獲得しています。
平均的な再生数はそこまで高くありませんが、根強いファンがいるので今後もYouTubeからの依頼が発生していくのではないでしょうか。
④家づくり せやま大学【ちょうどいい塩梅の家づくり】
ビーイナフ株式会社の代表であり、建築士ではなくコンサルタント業をしているせやまさんが運営するチャンネル。
「家づくり せやま大学」では、「家なんかにお金をかけるな!質は担保しろ」をテーマに、費用対効果の高い家づくりの方法を発信しています。
最近では、せやま基準という一定の基準を満たした工務店と施主をつなぐ「せやま印工務店」を展開。高性能な家に住みたいがそこまでお金がないという家族層をターゲットにしています。
「ちょうどいい塩梅」というワードを動画内でよく使っており、この言葉といえばせやまさんが思い浮かぶような一種のブランディングになっています。
最大の特徴としては、前述の「せやま印工務店」において施主に工務店を紹介して、工務店から紹介料をいただくというアフィリエイトのビジネスモデルをYouTubeを利用して全て自分で構築していること。
同サービスが施主に支持されているのは、「このプロジェクトを施主のものだ」とブランデイングをしており、心の底からおすすめできる工務店を紹介しているからです。ユーザーファーストはYouTubeにおいても当てはまるということがよく分かる事例です。
⑤大和ハウスグループ公式チャンネル
大手住宅総合メーカーである大和ハウス工業が運営するYouTubeチャンネル。
大和ハウスの事業紹介ムービーやインタビュー動画、建築事例紹介動画などコンテンツの種類は多岐に渡ります。
その中でも建築事例紹介動画は、非常にクオリティが高く、実際の設計図を動画内に挿入したり、物件を手掛けた設計士が、ナビゲーションを担当することで動画の専門性や、説得力を高めるなどの工夫がされており、建築業界の関係者にとって、非常に参考になるコンテンツになっているのではないでしょうか。
その他の特徴として、TVCMをYouTubeにも配信して高い再生数を獲得していたり「ダイワマン」という同社オリジナルのシリーズを展開するなど、ストーリーを絡めてうまくプロモーションに活用している印象です。
⑥建設チャンネル
株式会社井上技研の代表取締役であるイノシンこと井上伸悟さん自ら発信するチャンネルであり、現在の登録者数は約3万8千人。
「建設チャンネル」は建設現場や、建設業界で役に立つ多彩な知識や情報を、実際に働いている現場の目線から分かりやすく発信しています。
建設現場の面白さを伝えるのと同時に、建設現場に対する不安や疑問を解消するコンテンツが多数。具体的には、建設のプロたちのリアルな声が聞ける「対談形式」やあるあるやルーティーンなどの「再現動画」、仕事上のハプニングを包み隠さず公開する「密着動画」などのコンテンツが人気です。
上記のように、建設現場のリアリティを学ぶことで、建設業に興味がある人の仕事選びにも役立つ内容であるため、運営元である株式会社井上技研の採用訴求にも繋がっていると考えられます。
⑦塗装職人チャンネル【公式】
神奈川県横浜市保土ヶ谷区に本社を構える塗装会社である株式会社塗装職人が運営するチャンネル。
「塗装職人チャンネル」は技術的要素の高い現場作業に絞り、施工中のリアルな職人の作業を撮影しており、外壁塗装の技術的な内容をメインに投稿しています。
また、専門知識のない素人をターゲットにした塗料や業者選びの方法、悪質業者からの回避方法や、塗装以外の屋根のカバー工法などを解説するコンテンツも多数。
職人のみならず、同社工事後の施主のインタビューや、お客様との食事会時における工事に対する評価なども収録し、透明性の高い制作、チャンネル運用をしているのが特徴です。
チャンネルのコンセプトとして、今後塗装や防水を検討している視聴者のためになる動画配信をメインに、一級塗装技能士検定試験情報など、塗装業者の役に立つ情報も分かりやすく発信しているので、非常に権威性や信頼性の高いアカウントであるといえます。
数年前には女性職人である「塗装女子のりおちゃん」が度々登場し、YouTube内でフューチャーされ注目を集めました。
⑧けんせつ小町チャンネル
一般社団法人 日本建設業連合会が運営する建設業の魅力を紹介するチャンネル。
「けんせつ小町チャンネル」では、建設業で働く多様な職種・世代・性別の「ヒト」、建造物や作り上げるプロセスで活躍する「モノ」をさまざまな切り口で取り上げ、建設業の新しさ、おもしろさを伝えています。
「あるある」や「建築女子のインタビュー」、「現場の女性更衣室事情」などユニークでワクワクする切り口で、建築業界に興味がない人にも刺さるようなコンテンツが多数。
「もっと女性が活躍できる建設業を目指す」という想いでコンテンツを制作しており、女性に寄り添った内容で視聴者に安心感を与え、女性が建築業界に興味をもつきっかけになったり、実際の採用にも結び付いていると考えられます。
⑨DIY MAGAZINE
日本でもトップクラスに人気かつ知名度のあるDIY・リノベーション系YouTuberであり、現在その登録者数は55万人を超えています。
「DIY MAGAZIN」は、建物のセルフリノベーションに特化しており、築40年の家をセルフリノベーションしていく過程と、そこでの生活を動画内でまとめています。
動画のサムネイルがスタイリッシュで、リノベーション後の内装やインテリアがとても綺麗なのが特徴です。快適な住環境を作り上げるという視点から、「DIY」と「インテリア」という相性のいいジャンルを上手く組み合わせ、相乗効果を生み出しています。
YouTubeだけでなく書籍の出版などもしており、多くのメディアに露出していて、その知名度や影響力からプロモーション案件を、依頼したいと考える企業も少なくなく、実際に企業タイアップの動画なども発信しています。
⑩IKEA JAPAN
世界最大の家具量販店であるIKEAが運営するチャンネルで、登録者は約3万人。「IKEA JAPAN」は、チャンネル内で人気アイテムやインテリアのアイデアなどを紹介しています。
メインコンテンツを自社商品の紹介に限定しているのが特徴で、自社商品を使った整理術や組み立て方法などの細かい解説、開発ストーリーなどを掲載。その他、従業員やユーザーへのインタビュー動画なども公開しています。
平均的な再生数はそこまで伸びずとも、徹底してファンに向けたコンテンツ発信のお手本となる事例ではないでしょうか。
まとめ
建築業界において多くの企業が、YouTubeに注目し、活用や運用をし始めています。動画コンテンツは建築・住宅商材との相性が良く、上手く活用できればHPやチラシ・リスティング広告よりも高い集客効果が期待できます。
更にYouTubeは活用手段も幅広く、会社 / スタッフ紹介や社内教育、求人募集、技術力発信に施工事例紹介など、様々なジャンルの領域で発信することができます。
5Gの本格的な到来などにより、今後一層マーケットの拡大が予想されるYouTubeにおいて、早めに自社コンテンツを持っておきたいところです。
今回ご紹介したYouTubeを活用するメリットと、企業の活用事例を是非参考にしてみてください。
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