YouTuberタイアップとは?費用や事例、効果について解説

YouTuber(YouTube)タイアップは、企業また個人の商品・サービスなどの紹介をYouTuberに委託し、そのクリエイターが抱えるファン層に認知させ、購買意欲をあげることを目的としたプロモーション方法です。

現在、25億人超が利用する動画プラットフォ-ム「YouTube」には、毎分500時間の動画がアップロードされており、このYouTubeタイアップという手法自体は珍しいものではなくなってきているのが現状です。

そこで今回の記事では、実際のタイアップ事例を紹介していきながら「モノを売りたい」「サービスを売りたい」方へ向け、今YouTuberタイアップに取り組むべき理由と実態・効果を出す方法について解説していきたいと思います。

1.YouTuber(YouTube)タイアップに取り組むべき理由

まず初めに、皆さんに問いたいのは現在のインターネット全般の広告に嫌悪感を感じたことはないでしょうか。

マイボイスコム株式会社調べによると、インターネット広告で不快に感じるものは(複数回答)、「消せない広告、閉じにくい広告」、「画面全体に表示される」「興味がない・関係ない内容の広告」「別画面やポップアップで自動的に表示される」と回答する人が多く「YouTube等の動画サイトの、スキップできない動画広告」は、10・20代で不快感を感じている割合が高いことがわかります。

このデータから読み取れるように、興味関心がない広告に消せない・消しづらいなどのある種の強制力が働くと不快感を感じやすく、広告としては逆効果*になってしまう可能性があります。

*クレームやイメージダウン、広告効果の減少

どれだけ素晴らしい商品を作っても売れないと意味がないのと同じように広告を出してもスキップ・消去される広告では意味がないのが現実です。

では、不快感を感じにくい広告とはどのようなものか、それは

・消費者(視聴者)が能動的に観に来る広告
・ターゲットを絞った広告(パーソナライズされた広告)

などが答えの1つとしてあげられます。

ここでYouTuberタイアップをこの条件と照らし合わせて見ると

・消費者(視聴者)が能動的に観に来る広告

YoutuberタイアップではYouTuberのファン層が普段の動画を観にくるのと同じ方法・マインドで、広告が内包された動画を視聴させることができます。

「〇〇ちゃんの最新の動画が上がっているから見よう!」と動画視聴が習慣化されているファンは一般的な広告のように視聴者に押し付けずとも見てくれる可能性が高いです。

また視聴者が「買おうと思ってるんだけど実際どうなんだろう…」

と思っている時に、YouTuberが実際に使用方法や使用感を解説していることで視聴者にとって有意義なコンテンツになり、広告であっても見る動機ができます。

さらに、視聴したファン層がXやインスタグラムに「◯◯ちゃんのおすすめのやつ買った〜」などの口コミが広がり、それを見た視聴者のフォロワーにも商品・サービスをバイラル的にリーチさせることができます。

※バイラルヒット =ウィルスのように拡散する、である。 たとえば、ネット上の動画や画像、記事、広告などが口コミによって多くの人々に拡散され、急速に注目を集めることを指す。 そうした効果を狙ったマーケティング戦略のことを指す場合もある。

・ターゲットを絞った広告(パーソナライズされた広告)

YouTubeには簡単に広告を出せる機能(オンライン広告キャンペーン)があり、このYouTubeの広告機能ではリーチさせる人の属性(年齢や性別)を絞ることが可能です。ユーザー側ではアカウント登録情報や普段見ている動画コンテンツの種類・ジャンルによって出る広告が変更されます。

このアルゴリズムで行うパーソナライズされた広告は手軽で有効ですが、YouTuberの投稿ジャンルによってはそもそも表示されない→届けたい視聴者層に届かない可能性があります。

一方YouTuberタイアップでは、ターゲット選定=YouTuber選定であり、そのクリエイターのファンというパーソナライズが確立しているため広告特有の不快感が抑えられ離脱を防ぎ、効率的に視聴者にリーチさせることができます。

ファンや動画の視聴者が商品を知ったり、商品理解をより深めて購買を促すことができるタイアップは、認知や興味、購買にも効果を発揮するプロモーション方法だと言えます。

また各種SNSの中で、なぜYouTubeなのかというと株式会社Macbee Planet調査によると【10~60代全体でリサーチしたところ、最も購入の動機になったSNSはYouTubeという結果も出ており、YouTubeの動画広告には他SNSでは出せない高い教育力ある】ことがこの情報で読み取ることができる。

いかがでしたでしょうか、より良い商品・サービスをより効率よく潜在的な顧客に認知させるにはYouTuberタイアップが非常に効果的ということがお分かりいただけましたでしょうか。

2.タイアップの流れ・費用など

▼タイアップの流れについて

YouTuber事務所や代理店に依頼する際に必要な流れを把握しておきましょう!

①プランニング

└商品・サービスをどこの・誰に・いつ伝えたいのかを決める

②プランニングにマッチしたインフルエンサーの選定

└自社で探すことが困難な場合は、インフルエンサー事務所にお任せするか

③オリエンテーション

└訴求内容やNG項目などをインフルエンサーとすり合わせ

④企画立案

└オリエンテーションで決めた内容をもとにクリエイターが企画立案

⑤動画制作

└撮影・編集・チェックを行いタイアップ動画を完成させる

⑥配信開始

└プランニングでおおよそ決めた公開日に沿って公開

▼費用感について

YouTuberタイアップ費用は一律の基準が決まっているわけではなく、チャンネルの平均再生回数や登録者、企画内容によってタイアップ費用は変動します。

あくまで一例ですが一般的にインフルエンサーマーケティングの費用感は、

・登録者数で起算する場合「フォロワー数×2~5円」

平均視聴回数(※CPV:コストパービュー)をもとに起算する場合

「1再生あたり15~5円=タイアップ費用÷最近の平均視聴回数」

CPVをもとにする場合は事前に1回のタイアップにかけられる予算を決めて、その予算と目標に合致したインフルエンサーを探す形式ですので、思ったより費用がかかったなどのリスクを軽減させることができます。

3.タイアップの依頼先について

①インフルエンサー事務所

インフルエンサー事務所は、インフルエンサーのマネジメントを行っている会社で依頼したいYouTuberが決まっている場合は、事務所に問い合わせを行うことで、費用やスケジュールの相談、動画制作まで行ってくれます。

キャスティング会社や代理店と比べ手数料がかからないため費用を安く抑えることが出来るので、タイアップ(アサイン)したいYouTuberが決まっている場合に有効です。

インフルエンサー事務所は、会社によって強いSNSがまちまちなので事前にどのようなインフルエンサーが所属しているのか把握して置くことが大切です。

また、事務所と関係値が低い場合やプロモーション内容が固まっていないと受付でブロックされてしまう可能性があります。そして、代理店が間にいない為、コミュニケーションコストが多くかかる場合もあり、日々の業務を圧迫する危険性もあります。

インフルエンサー事務所は、なるべく自社に所属するインフルエンサーから優先的にアサインしたいと考えるため、選択肢が狭まる傾向にあることも念頭に入れておいた方がいいです。

②キャスティング会社・代理店

キャスティング会社・代理店とは、PRしたい商品・サービス、また訴求内容を精査し最適なインフルエンサーをピックアップ・アサインしてくれる会社です。

キャスティング会社・代理店は複数のインフルエンサー事務所や個人で活動しているインフルエンサーまで幅広く提案を受けられ、条件交渉や面倒なコミュニケーションプランの策定まで、ほぼ丸投げでタイアップを行うことが可能な場合もあります。起用したいインフルエンサーが特に決まっておらず、費用や効果で検討したい場合に有効な外注先です。

インフルエンサー事務所や直接取引より工数負担が減る反面、タイアップ費用+キャスティング費用がかかってくるため、他の方法よりも予算に余裕を持ち、提供されるサービスについて見合っているかを考えることが大切です。

4.YouTuber(Youtube)タイアップの事例5選

ここまでYouTuberタイアップの概要を記述させていただきましたが、実際のタイアップ事例を5つご紹介いたします。

ソニー新型!VLOGCAM ZV-1 IIが出た!マジでこれを待ってた。

ソニー新型!VLOGCAM ZV-1 IIが出た!マジでこれを待ってた。

出典:ワタナベカズマサ
提供元:ソニーマーケティング株式会社

普段の動画がからガジェット紹介系の動画を発信しているワタナベさん。

レビュー力の信頼性と映像美で魅せる動画は、カメラを商品紹介するのに最適なYouTuberの1人と言えるでしょう。

このように普段のチャンネルの特徴を崩さず、ついてきているファンの期待に応える形で行うタイアップは、非常に効果的で寄せられたコメントも、「レビュー力の高さに感嘆しました」「新製品に期待していなかったけど欲しくなりました」など不快感を表すコメントは無く、賞賛するコメントで溢れていました。

世界最大のロケット回転寿司を作ってみた【原神】

世界最大のロケット回転寿司を作ってみた【原神】

出典:すしらーめん《にく》←2nd 
提供元:HoYoverse

大人気YouTuberすしらーめんりくさんの2ndチャンネルすしらーめんにくにて公開されたゲームアプリ原神とのタイアップ動画です。

普段の大規模な企画を踏襲しつつ案件動画なのにこんなに面白いのすごい!、といった案件感が全くない普段の動画を見ている感覚で、ゲームアプリの宣伝が出来ている素晴らしい事例です。

このように案件感を出来るだけ出さない方法もYouTuberタイアップで成功する1つの方法と言えるでしょう。

ゲームの案件受けずに、食事の案件受ける男

ゲームの案件受けずに、食事の案件受ける男

出典:jun channel
提供元:nosh-ナッシュ

ファンが非常に強力なことで知られる加藤純一さんと忙しい主婦へ向け家族の健康面へ配慮しながらも手軽に食卓に並べることのできるお弁当noshとのタイアップ動画です。

タイトルや動画冒頭で初めから案件だということを主張し、案件を依頼してきた企業の予想の斜め上をいく企画で視聴者を惹きつけています。

普段から忌憚のない意見を述べる加藤さんへの信頼感がファンの熱狂を呼び、案件動画であっても、「最高!」「食べてみました」「副菜が美味しい」などしっかりと認知拡大・購買意欲向上して行っているのがコメント欄でも読み取れます。

このように、普段から教育されたファンを抱えるYouTuberは案件との相性がよく、前述したターゲット選定=YouTuber選定であることが非常にわかる事例でした。


【ドッキリ】企業案件と言われたら熱くても正直な感想言えない説

【ドッキリ】企業案件と言われたら熱くても正直な感想言えない説

出典:まさ / 高倉正善
提供元:株式会社TORRAS

普段ロードバイク関係のコンテンツ制作を行う高倉さんとスマホ関連のグッツや体温コントロールのガジェットを展開する株式会社TORRASとのタイアップ動画です。

企業案件だからポジティブな意見を言わなければいけないという暗黙の了解を逆手にとったドッキリ企画で進行していっており、ネタバラシした際の素直な意見が、それまで本当のことを言えなかった分、「本当に効果がある」ことを強く訴求できる構成になっており、プロモーション企画の参考にしたい動画となっています。

また、ファンの方が作成した切り抜き動画が、YouTubeやTikTokに投稿されるケースも確認でき、口コミが視聴者やファン同士で広がっていく参考事例です。

⑤【アニメ】怪しいおじさんに案件をお願いされるやつwwwwwwwwwwwwww

【アニメ】怪しいおじさんに案件をお願いされるやつwwwwwwwwwwwwww

出典:たすくこま
引用元:Shanghai Moonton Technology Co., Ltd

これまで紹介してきたタイアップ動画とは違い、実写ではなくアニメーション作品を投稿するYouTuberとのタイアップを行った珍しい事例です。

アプリなどの無形商材では、実写という概念にとらわれずイラストやアニメ・3DCGなどを活用するYouTuberを起用することができ、実写とは一味違う自由な発想のタイアップを行うことが可能です。

寄せられたコメントも「斬新!」「案件だけどこれは楽しく見れた」「たすくこまさんに案件振るのは優秀!」など案件を振った企業とYouTuber本人にポジティブな意見が殺到しています。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。YouTuberタイアップは、視聴者への認知拡大や購買意欲を高める効果が見込めるプロモーション方法です。

今現在、様々な企業がYouTuberタイアップを行い成果をあげています。YouTubeというプラットフォームでいえば、案件動画や広告が多く、視聴者も目が肥えており不快・面倒に感じる広告について「見ない」「企業へ不信感を感じる」といったマイナスなイメージを持たれる可能性も大いにあります。

YouTuberタイアップを成功させるポイントとしては、

・目的・ゴールを明確にした状態で取り組む
・キャスティングは無理に自社で行わず外注することも念頭に入れる
・インフルエンサーの選択によって客層を選択する
・YouTuberの普段投稿の特色から逸脱させない
・訴求・メッセージはコンパクトに

タイアップをご検討の際は、できるだけクリエイターにとってできるだけ自然な動画になることを念頭に入れ、その特徴を最大限生かし、成果を最大化させましょう。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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