地下アイドルのYouTubeチャンネル運用・活用事例10選
地下アイドル(ライブアイドル・インディーズアイドル)とは、テレビ等のメディア出演よりもライブ・イベント等を中心に活動しているアイドルのことです。
『メジャーアイドル』と『地下アイドル』の境界線は、はっきりとした線引きはなく、非常に曖昧なものとなっており、地下アイドルだったけれど、人気を獲得していく中で、テレビで取り上げられるようになり、気が付けば地下アイドルではなくなっている、なんてこともしばしばあります。
しかし、一説には1万人以上いるとも言われているアイドル人口。
多くのアイドルが日々乱立する中で、地下アイドルがメジャーアイドルを目指していくのであれば、小さなライブハウスのみの活動では、知名度をあげていくのは厳しいものがあります。
そのため、知名度をあげたい、メジャーアイドルまで上っていきたい! 地下アイドルにとって、誰でも全国に情報を発信できるSNSの運用は必須と言っても過言ではありません。
事実、突如TikTokで楽曲がバズって一気に有名になったアイドルがいたり、Youtuberとしての活動が評価されるアイドルがいたり、今やインターネット上での活動が評価されて知名度を得るアイドルが多くいます。
本記事ではそんな地下アイドルのYoutubeチャンネルの運用について10個選出して紹介しています。ぜひ参考にしてください。
目次
地下アイドルがYouTube運営を行うメリット
地下アイドルがYoutubeを運営するメリットは全世界に向けて情報を発信できる点にあります。
ライブハウスやイベント会場では、そもそも来ているお客さんの数に限りがあります。中には、お客さん0人の中で歌った経験があるアイドルもいるくらいです。
そのため、目にとめてもらえるかはコンテンツ次第だとしても、世界中の人に、自分たちのコンテンツを発信できるインターネットという舞台は、最上のメリットにあたるのではないでしょうか。
また、SNSで知って、どんなグループなんだろうか、楽曲をフルサイズで聞いてみたい等、興味をもった人はYouTubeで検索する人も多いです。
実際、TikTokで楽曲がバズったアイドルグループのYouTubeチャンネルに行くと、バズった曲のミュージックビデオが100万再生超えをしているなんてことも珍しくはありません。
別SNSのバズを支え、さらにYouTubeでも数字を伸ばすことが可能です。
もちろん、新規だけではなく、現在のファンたちにとっても応援しているアイドルのコンテンツはファン心理から嬉しいのは想像に易いです。
特にコロナ禍でライブ活動が減少する中、現在のアイドルたちの状況を知ることができるというのも魅力的ですし、アイドルグループのメンバーが卒のらのら業したり活動終了しても、公式が動画を消さなければ、いつまでも動画で当時の様子を見ることができるということも嬉しい要素の一つです。
そのため、地下アイドルがYouTube運営するメリットは大きいと言えます。
地下アイドルのYouTubeチャンネル運用・活用事例10選
①超ときめき♡宣伝部
スターダストプロモーション芸能3部所属のアイドルグループ・超ときめき♡宣伝部。
所属事務所は大手、アニメのタイアップ曲を担当したり幕張メッセでのライブのチケットが完売する等、地下アイドルとは決して言いがたい、メジャーアイドルです。
しかし、実は全国区のアイドルとなったのはつい最近のことです。
元々はケーブルテレビの期間限定企画グループからはじまったアイドルグループで、当初はライブを中心に活動していた地下アイドルに近い時期がありました。
ブームのきっかけは2021年3月頃。分かりやすく可愛らしい振付とストレートな歌詞が評価されたのか、2018年にリリースした「すきっ!」がTikTokでブームとなりました。
その人気は日本国内だけでなく、全世界に発信され、インドネシアSpotifyではチャートで1位を記録したことも。
このブームをしっかりと意識している超ときめき♡宣伝部。リアレンジ・再収録した「すきっ!〜超ver〜」をリリース。
YouTube上でも海外人気を意識し、楽曲の字幕機能は、韓国語と英語に対応。概要欄も海外の人が見てわかるようなものとなっています。また「すきっ」関連動画も現在までで19本投稿。
当初より大手事務所だったりケーブルテレビとはいえ、番組初のグループであるため、地下アイドルという位置づけにはしがたい部分がありますが、バズったあと、ブームをしっかりと乗りこなす運営手腕は非常に参考になるため、アイドルのYouTube運営を検討されている方にはチェックしていただきたいチャンネルです。
②神宿 KAMIYADO
原宿発4人組アイドルグループ「神宿」
大学生のプロデューサーが、アルバイト先の会社の企画のために、スカウトをはじめたことがきっかけで、生まれたという変わった誕生秘話を持つ神宿。
事務所の後押しなどがないままスタートしましたが、精力的な活動により急速に人気を得ていった地下アイドルです。
また、彼女たちは2014年というかなり早い段階からYouTubeチャンネルを立ち上げ、YouTuberとしても活動しています。2019年1月には大手YouTuber事務所UUUMに参加。
アイドルとYouTuberを両立しているグループです。
上記動画は2019年6月に発表された企画『アイドルが目隠しして踊ってみた!』
現在も継続的に行われる人気企画であり、そして多くの他のアイドルグループが真似をするヒット企画となりました。
また、楽曲「グリズリーに襲われたら♡」はTikTokでバズり、YouTubeでの再生回数は347万回再生(2022年11月現在)
アイドルとしてもYouTuberとしても、高い運営力が参考になるチャンネルです。
③URA-KiSS(KissBee)
chu.inc所属、2014年4月に結成されたアイドルグループKissBeeは、2017年8月からYoutuber『URA-KiSS』としても活動を開始しました。
YouTubeとアイドル活動が評価され、「Yahoo!検索トレンドマップ2018」では、ネクストブレイクアイドルとしても選出された過去があります。
いわゆるアイドルらしいYouTuber活動として歌ってみた・踊ってみた等もある一方で、上記の動画のような少々アダルトテイストをとりいれた動画やASMR等の企画も多くとりいれ、動画のジャンルは多岐にわたっています。
また現在は変更していますが、一時期は共同生活を行い、毎日動画を投稿するなどYouTuberとしてチャンネル運用にかなり力をいれていました。
このグループの珍しい点は、事務所所属のアイドルグループでありながら、企画から編集までYouTube運営をきちんとメンバーたちで行っていることと、KissBeeとして卒業をしても、URA-KiSSとしては活動を継続しているメンバーがいることです。
(アイドルグループのYouTube運用は事務所やプロデュース側が行い、メンバーが卒業すればそのまま自然にYouTubeの出演も終わることが多いです。)
このことからもKissBeeというアイドルがただYouTubeでも活動しているのではなく、歌って踊るアイドルグループのKissBeeと企画にうちこむYouTuberグループのURA-KiSSはそれぞれ別物として、それぞれ活動に打ち込んでいるという印象をうけます。
④Ferris University
フリーのアイドルグループ『おこさまぷれ〜と。』
彼女たちの特色は「アイドル活動を盛り上げるためにYouTubeをしている」のではなく、「YouTubeからアイドルを目指して、結成している」という点です。
出発地点がYouTubeのため、地下アイドルがYouTuberになった、というよりはYouTuberが地下アイドルになったというほうが正確です。
2017年12月21日公開の動画『今日から毎日投稿、女子5人でYouTube はじめます!』から活動をはじめ、毎日投稿を行い、現在、チャンネル登録者数は47.6万人。
YouTubeランキングサイトユーチュラではアイドルジャンルで36番目の登録者となっています。(2022年11月現在)
アイドルタグのチャンネルは非常に多く、上位のほとんどをジャニーズJr.やAKB48系列の活動方々等が占める中、フリーランスのアイドルグループが、この登録者数というのは相当高い数字と言えます。
動画ジャンルとしてはバラエティー豊かで、過激なドッキリやアダルト要素のある動画等体を張ったものも多いです。
2019年1月30日に公開された上記動画『pink pop / おこさまぷれ〜と。【MV】』はそんな彼女たちがアイドルデビューを果たした初オリジナル楽曲。
この楽曲のMVは『世界一カワイイMVを作りたい!プロジェクト』というクラウドファンディングで支援を集めて制作されました。
そんなところもインターネット上で0からはじめて、視聴者とともに作り上げてきたアイドルグループらしい運営方法だと感じます。
⑤仮面女子【最強の地下アイドル】
アリスプロジェクトが運営するインディーズアイドル『仮面女子』
『最強の地下アイドル」を掲げている大型アイドルグループであり、グループ内に4つのユニット(アリス十番、スチームガールズ、アーマーガールズ、イースターガールズ)を抱えています。
東京都の秋葉原「P.A.R.M.S」、大阪府の島之内「仮面女子シアター」という専用の劇場を持っており、日々盛んなライブ活動を行っています。
ライブの本数は年間1000本を越えており、『最強の地下アイドル』と名乗るにふさわしい圧倒的なライブ中心の活動形態です。
その膨大なライブ本数が可能にした企画が、YouTube動画企画『地下アイドル「純血」』というドキュメンタリー番組。
企画等の密着はもちろん、毎日絶え間なくライブ活動に打ち込む仮面女子の瞬間瞬間がとらえられており、中にはアイドルという職業の過酷さが垣間見えるものも。
舞台裏を惜しみなく見せてくれるので、ファンの「応援したい」という気持ちをさらに後押ししてくれます。
⑥コレって恋ですか?
株式会社ライバー所属のアイドルグループ『コレって恋ですか?』
こちらのYouTubeチャンネルはライブ配信を中心に、企画動画・歌ってみた、オリジナル曲の配信など幅広く配信されています。
グループのコンセプトが『配信ネイティブアイドル』であり、メンバーがそれぞれTwitter、Instagram、TikTok、ツイキャス、Twitch等のSNS・ライブ配信サービスでの活動にも力を入れていることが特色です。
またもうひとつ大きな特色は有名YouTuber・ライバーのコレコレさんがプロデュースするアイドルグループということ。
配信活動ではプロデューサーがコレコレさんであるというアドバンテージを存分に生かしている印象を受けます。
例えば上記動画は、サムネイルのテイストを『コレコレチャンネル』に寄せていること、そしてコレコレさん自身も出演されており、『コレって恋ですか?』だけでなく、コレコレさんのファンもクリックしやすい動画になっています。
また、コレコレさんのチャンネルの配信オープニング・エンディングでは『コレって恋ですか?』の楽曲を流しているので、そこで聞いて気になって『コレって恋ですか?』のチャンネルに聞きにきたという方も多いでしょう。
事実、『コレって恋ですか?』で投稿された人気の動画の上位3曲はすべてコレコレチャンネルでオープニング・エンディング曲として採用されたものになっています。
有名インフルエンサーが『アイドル』を運営することにおいて、かなり手厚い運営サポートをされているチャンネルです。
⑦カリスマめんざいふっ!
LIVE PLANET所属のアイドルグループ『カリスマめんざいふっ!』
こちらは人気インフルエンサー立ち上げのアイドルオーディション企画『OdAkEiアイドルプロジェクト』で落選してしまったメンバーで結成されたアイドルグループです。
『MiKiOdA IDOL PROJECT』(チャンネル登録者数 3.33万人)のチャンネルには彼女たちが参加したオーディション動画が掲載されており、『カリスマめんざいふっ!』のチャンネルのコメント欄にも「オーディションから応援していた」というコメントが多いです。
その部分をしっかりと意識した運営がされており、オーディション時、パフォーマンスとして披露された『New World / アキシブproject』『Night Walker / HIGH SPRITS』 のカバー動画で、オーディションからの成長具合を魅せてくれたり、上記のようにその楽曲を用いたバラエティー企画を用意しています。
動画更新は不定期となっていますが、歌ってみた、踊ってみたをはじめ、どっきり、大食いなどバラエティー豊かな内容となっています。
⑧びっくえんじぇる BIG ANGEL
フリーで活動する2人組女性アイドルユニット・びっくえんじぇる。
『天使だったけど体重オーバーで地球におっこちた💦肥満落下系堕天使アイドルです!天界に戻るために歌って踊って痩せようと頑張って活動しています♪』とプロフィールにあるように、合計体重218kgと『おデブアイドル』であることを自ら武器として活動しているアイドルです。
2018年5月に投稿した『ダイエット始めなきゃビキニで踊ってみた』がバズり、以降も人気を獲得しつづけ、現在はチャンネル登録者数 18.6万人(2022年11月現在)。2022年には8年間目標としていたという「TOKYO IDOL FESTIVAL 2022」への出演も達成しました。
そんな彼女たちの特色は体重に加え、『女性からの評価が非常に高い』ということ。
女性アイドルというと、男性をターゲットにしているものが多い印象がありますが、びっくえんじぇるはプレスリリースによると『女性の支持層が89%』とのこと。そのため、チャンネルの動画もメインターゲットを女性としている企画が多い印象です。
例えばグルメ、ダイエット企画、LOOKBOOK、メイク、ファッションなど女性の関心が高いものを多く扱っています。
その上で、例えば上記動画のように女性Youtuberに人気のGUコーデ企画を『サイズがあるのか』という部分をメインに行う等、彼女たちらしい個性を効果的にかけ合わせています。
⑨夢喰NEON
RINDO Entertainment 株式会社所属の男性アイドルグループ・夢喰NEON。
同事務所ですでに解散したメンズアイドルグループの『徒花TOXiC』の後継グループとして結成されたグループです。
前グループからの継続的な人気に加え、メジャーデビューも果たした『ベアードアード』との兼任メンバーがいたり、別事務所のアイドルグループで人気だったメンバーもいたりと、活動開始時からメンバーそれぞれの力が強いグループ。
そのため、根強いファンがいるからこそ可能な、『コメント』を生かした運用をされています。
例えば、夢喰NEONのチャンネル名『放課後NEON』はコメント欄で募集され、実際に採用されたもの。
現在も「こんなことをやってほしい」というコメントがあり、アイディアがダイレクトに採用される可能性があるのはファンにとって魅力的なのではないでしょうか。
また、歌やダンスの動画はグループのコンセプトである『サイバーパンク』がしっかりと生かされたネオンカラーのかっこいい映像となっており、オンオフ両方のメンバーの姿が楽しめるチャンネルとなっています。
⑩ハコイリムスコ(9bic)
人気YouTuberのYapp!(やっぴ)さん と米村海斗さんがプロデュースするSNS発信のアイドルグループ・9bic。
アイドルとしては「9bic」ですが、YouTubeでは「ハコイリムスコ」という名前。”9bic=キュービック”のなかの生活を覗き見できるということであえて活動名を分けています。
また、元から更新頻度は高いチャンネルですが、緊急事態宣言中や周年ライブ前などには、毎日投稿期間をもうける等、注目してもらいやすいタイミングを逃しません。
また、上記動画は人気YouTuberえみりさんとのコラボ動画ですが、メンズアイドルの視聴者層に人気のBLコンテンツをその他の動画でも多く取り入れており、視聴者のニーズに答えた企画運営をされています。
まとめ
どんなに大きいライブステージに立ったとしても観客の数に限りがあり、その中から応援してくれるファンをつけなければいけない地下アイドル業界。
しかし、YouTubeをはじめとしたSNSの活用で、うまくバズることができれば、メジャーアイドルへと歩みを進めたり、インフルエンサーとして注目される可能性もあります。
グループの特色やファンのニーズにあわせたSNS運用を行い、何かでバズった後には、さらなる注目を惹きつけ続ける運用を行うことで、インターネットが、グループの発展を後押ししてくれることでしょう。
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