ゲーム実況・VTuber系のYouTube運用・活用事例10選
ゲーム実況。今やネット配信のメインコンテンツとなったこのジャンルが生まれたのは2003年。テレビ番組『ゲームセンターCX』が今のゲーム実況のひな形を作ったと言われています。
そして、2007年頃にはネット配信者たちも『ゲーム実況』を行うようになり、次第に広く受け入れられるようになりました。
ゲーム実況が流行りだした当初は体制が整っておらず、多くの配信者たちがメーカーに無許可でゲーム配信を行うため著作権等の多くの課題点もありましたが、ゲームのメーカー各社がゲーム実況ガイドラインを作成、ルールの範囲内であればゲーム実況を行うことができる環境が整えられた現在、個人・企業問わず多くの配信者が自身の配信のメインコンテンツもしくは1つの要素として、安心してゲーム実況を行っています。
特に近年では、可動域に限界のあるVtuber(※1)の方々にとって、ゲーム実況は相性がよく、多くのVtuberが自身のコンテンツの一つとしてゲーム実況を行っています。
今後もエンタテイメントのチャンネル運用で必須となるコンテンツであるゲーム実況。
本記事では、そんなゲーム実況をコンテンツとして取り入れているゲーム実況者・Vtuberのチャンネルの運用について10個選出して紹介しています。ぜひ参考にしてください。
※1 Vtuber
アバターを使って活動しているネット配信者の総称。その多くが2Dのイラストまたは3Dモデルをリアルタイムで動かし、キャラクターとして配信活動を行う。
目次
ゲーム実況を行うメリット
エンターテイメントの動画チャンネルにおいて、ゲーム実況を取り入れるメリットとして考えられるものは多くあります。
・顔出しはあっても無くても問題ない。
・多くのゲームで配信に関してガイドラインが発表されており、企業/個人を問わず安心してゲーム実況を行うことができる。
・ゲームによってはコラボ等がしやすく、横のつながりを持ちやすい。
・台本・企画書等の用意がなくても気軽に行える。
・動画編集ができなくても、生配信で実施可能(工数がかからない)
・ファンによる「切り抜き動画」等で多くの人に拡散される可能性がある。
気軽にはじめることができ、そして拡散される可能性を秘めていますが、一方で、多くの人が参入しているジャンルのため、ただゲーム実況をはじめるだけで伸びていくということはありません。
次項からは実際に人気ゲーム実況者・Vtuberがどのようなスタイルでゲーム実況を行っているか見ていきましょう。
また、視聴者層は、若年層だけでなく、10代から60代まで、幅広い年齢層の方がYouTubeを視聴しています。
ゲーム実況 5選
①キヨ
サブチャンネルとしてのゲーム実況チャンネルや、マルチコンテンツの中の一環としてゲーム実況を行っているチャンネルではなく、『ゲーム実況』をメインコンテンツに据えて活動している実況者の中では、国内最多のチャンネル登録者数399万人(2022年9月現在)を記録している人気実況者です。
週4〜5日程度の高い頻度で、国内・海外問わず商業ゲーム、複数人で楽しむパーティーゲーム、フリーゲーム等幅広いジャンルを投稿しています。
個人チャンネルではありますが、『日本TOP4』(キヨ レトルト 牛沢 ガッチマン)、『最終兵器俺達』(キヨ、こーすけ、ヒラ、フジ)の人気ゲーム実況者たちと複数で行う動画も定期的に多々投稿されております。
シリーズだとしても同じゲームを連続でアップロードすることはあまりないですが、自分でプレイしたいから等の理由で『このゲーム実況はみたくない』と思った時でも、翌日には次に違うゲーム動画がアップロードされるため、非常に安定して視聴しつづけやすい印象があります。
②HikakinGames
誰もが知る日本のトップユーチューバーHikakinが運営するゲーム実況専門チャンネルです。チャンネル登録者数は日本のゲーム実況チャンネルジャンルでは最多の566万人(2022年9月現在)。
HIKAKINはメインチャンネルで企画を行いつつ、ゲーム、Vlog、ビートボックスとジャンルを分けたチャンネル運営を行っており、視聴者が見たい動画を見やすいようなチャンネル運営をされています。
芸能人、Vtuber、ゲーム実況者等の人気活動者とのコラボも盛んに行い、ゲーム実況を普段見る人以外の層を開拓して着実に登録者数を増やしている印象を受けます。
多くのゲームを扱うというより、マインクラフト・フォートナイト・Apex・スプラトゥーン等旬なジャンルにターゲットを絞り、大会などにも積極的に参加されています。
③LEOの遊び場【山田涼介】
Hey! Say! JUMPの山田涼介さんが運営しているゲーム実況チャンネルです。
基本的に『Apex Legends』の実況を中心に配信しつつ、芸能人、Vtuber、ゲーム実況者等の人気活動者とのコラボも盛んに行っております。
素の部分が見える動画があるのもファンから見て嬉しい部分だと思いますが、出場した大会でチームで6位に入賞する等ゲームスキルの高さも評価され、ゲーム実況を通して新たなファン層開拓につながっています。
④KUN
KUNさんの運営するゲーム実況チャンネルです。ジャンルごとにチャンネルをわけており、メインチャンネル(現在は『Minecraft』中心)は登録者数 149万人(2022年9月現在)
基本は配信サイトmildomでの生配信の録画を編集し直し、Youtubeにアップロードするという形式が多い。
元プロゲーマーという経歴を持っておりますが、現在は自身が大会で成績を収めた見たところBattlefieldやApex Legendsの配信はYoutube上では少ないようですが、どのゲームでも高いスキル発揮。『人狼』ジャンルにおいては普段はタブーとされるようなリスキーな戦法も行い、多くのファンをつけました。
⑤まいぜんシスターズ
2人組のゲーム実況者です。チャンネル登録者数は266万人(2022年9月現在)
他のゲーム実況者と違い、ゲーム『Minecraft』に特化し、『Minecraft』内で制作した3Dキャラを使ってアニメーションを制作する独特な活動をされています。
キャラクターとして人気を持ち、しまむらやイオン等多くの企業とコラボ、キャラクターグッズの発売やコラボカフェの開催などYoutube内にとどまらない活躍を見せています。
2021年の国内のチャンネル総再生数は『Junya.じゅんや』に次ぐ2位の12億9901万回。
VTuber 5選
①キズナアイ
バーチャルYouTuber(現・Vtuber)の草分け的存在のキズナアイ。現在は休止中ですが、メインチャンネルの登録者数 307万人(2022年9月現在)
運営方針としては、メインチャンネルではトークや歌等、そしてゲームはゲーム特化チャンネルのA.I.Games(チャンネル登録者数 148万人)で行っていました。
HIKAKINをはじめとした大手Youtuber達がメインチャンネルとゲームチャンネルを分けることは非常に多いですが、バーチャル世界での企画が基本となるVtuberにとって、ゲーム実況はメインチャンネルでのメインコンテンツ置く方が多いです。
その中にあって、チャンネルを分けて活動ができるのは、モデルが3Dであるために可動域が広いことと、なにより雑談等だけでもしっかりとファンとコミュニケーションがとれる本人のスキルの高さが土台にあるように感じます。
ゲームチャンネルでは多くのゲームを行い、単発で楽しめる軽めのものからシリーズもののゲームを実施、またVtuberとのコラボも積極的に行われていました。
②Gawr Gura
2020年の9月に英語圏のVtuberグループ『ホロライブEnglish』からデビューしたGawr Gura(がうる・ぐら)
デビュー直後から爆発的にチャンネルが伸びていき、10月22日にYouTubeのチャンネル登録者数が100万人突破。当時、まだVtuberでチャンネル登録者が100万人を超えている人は少なく、市場最速で3人目の達成者となったことで話題になりました。
以降も順調にチャンネル登録者数をのばし、2021年7月1日にはついに、長い間Vtuber世界一のチャンネル登録者を記録していたキズナアイを超え、世界一最多チャンネル登録者を獲得したVtuberに君臨しました。
チャンネル全体のコンテンツとしてゲーム・歌の配信が多く、Minecraft・Dead by daylight・MonstarHunter等人気ゲームの配信を行っています。
中でもリズムゲームの技術力が高く、難易度の高い譜面でも初見でクリアしてしまうなど腕前を発揮し、切り抜き動画などで拡散され、リズムゲームファンからも注目されています。
③壱百満天原サロメ
前項に続き、爆速的な伸びをしたVtuberといえば、にじさんじ所属の壱百満天原サロメです。
にじさんじのTwitterフォロワー数が100万人達成した段階でデビューのアナウンスがあったキャラクターだったため、何かの企画なのかもしれないと憶測が流れ、注目されたタイミングでのデビュー配信で自身の胃カメラの写真公開など飛びぬけた企画を行い、多くのファンをひきつけました。
また、多くの配信者が長時間配信を行う中、平日は1時間程度にとどめている配信スタイルが「見やすい」との好評の声もあります。
その結果なのか、活動をはじめてたった14日で彼女のチャンネル登録者数は100万を達成しました。これはVtuber最速記録であると同時に、国内女性配信者でも最速、日本全体でみても芸能人たちのチャンネルに次ぐ5番目という記録を樹立しました。
ゲームは1つのゲームを連載作品のように配信し、ヲタクネタ・スラングを独特のお嬢様言葉(草→「おハーブですわ」等)に変換し、実況しています。
④茨ひより
いばキラTVが運営する自治体初の公認Vtuberです。個人チャンネルを持たず、茨城の魅力等を伝えるチャンネル『いばキラTV – IBAKIRA TV -』内での活動になります。
茨ひよりの登場以降により、『いばキラTV – IBAKIRA TV -』は1年平均1万2,000人程度の登録者増加スピードでしたが、茨ひよりの登場以降、9ヶ月で約3万人のユーザーがチャンネル登録者を達成。2019年には茨城県知事より「広告換算額にすると、大体2億4,000万円の効果が出ている」との発表もありました。
チャンネル全体として茨城の観光名所などを伝える動画が多く、茨ひよりも同様に自治体公認として観光レポート等で茨城の魅力を伝えていますが、それと同時に、「歌ってみた」「ゲーム実況」等のVtuberとしての動画も積極的に投稿されています。
ゲーム実況でも、ゲーム内に登場する山を筑波山に見立てる等、ことあるごとに茨城県に絡めており、とにかく『茨城を盛り上げる』という姿勢を貫き続けているVtuberです。
⑤渋谷ハル
APEX LEGENDをメインに実況するVtuber渋谷ハル。昨今では地上波の番組出演やTVアニメの主題歌を担当するなどゲームにとどまらない幅広い活躍を見せています。
活動初期からずっと高いゲームスキルでの実況を行うVtuberですが、その活躍は実況のみではありません。
APEX大会「VTuber最協決定戦」の主催を行ったり、視聴者参加型のカスタムマッチ番組「渋ハルカスタム」の配信等、多くのVtuber・配信者を巻き込んで、ゲーム実況界そのものを盛り上げています。
まとめ
エンターテイメントジャンルで欠かせないジャンルとなった『ゲーム実況』
芸能人一般人問わず多くの方が参入しているため、レッドオーシャンではあり、戦略なしでただゲーム実況動画を投稿して伸びる世界ではなく、運営が難しい部分はあるかもしれません。
しかし、その一方で面白い反応・珍プレー・神プレー等が切り抜き動画などで拡散され、一夜にしてバズにつながる可能性も多いにあります。
またゲームによっては他活動者とコラボしやすく横のつながりを持ちやすい、またお手軽に配信しやすい等メリットが多くあります。
その一方で、Vtuber企業がメーカー無許可で配信を行っていた時に大炎上につながったこともあるため、注意は必要です。
エンタテイメント系の動画チャンネルを運用している方などは著作権の取り扱い・各メーカーのガイドラインを確認した上で、積極的に、そして安全にゲーム実況ジャンルを取り入れると良いでしょう。
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